家賃収入が入っても、ローンの返済だけでなく、管理費、修繕積立金、税金、空室時の費用まで負担します。毎月の持ち出しが少なく見えることと、投資全体で利益が出ることは同じではありません。
ワンルーム投資を考えるときは、毎月の現金の出入り、税金、最後に売るときの損益を分けて確認する必要があります。
情報は2026年10月16日時点のものです。制度・税率・金額は変わることがあります。最新の条件は公式サイトでご確認ください。出典は記事末尾にまとめています。
本メディアは制度や仕組みの解説を目的としています。特定の金融商品・保険商品の購入をすすめるものではありません。投資には元本を下回るリスクがあります。試算は前提によって変わり、将来の成果を保証するものではありません。
家賃から引くのは、ローン返済だけではない
家賃から管理費や修繕積立金、賃貸管理の費用、固定資産税、保険料などを差し引き、空室や修繕も見込んで考えます。募集時の想定家賃を、保有中ずっと受け取れると決めつけないようにしましょう。修繕積立金も将来の見直しがあり得ます。[13]
ローン返済には利息と元本返済が含まれます。元本を返すと負債が減るため、毎月の現金収支が赤字というだけで投資全体の損益は決まりません。ただし、その持ち出しを生活費から継続して払えるかは別に確認が必要です。
節税で税金が減っても、収益が生まれたとは限らない
不動産所得は、収入から必要経費を差し引いて計算します。赤字を他の所得と損益通算できる場合がありますが、土地取得のための借入金の利子に相当する赤字部分など、対象にならないものもあります。[1][16]
減価償却などの税務上の経費と、実際の現金支出には違いがあります。「税金が戻るから得」と一つの金額で判断せず、税引後の現金収支と資産・負債の変化を分けて計算しましょう。個別の損益通算は税務署などで確認してください。[3]
家賃保証の契約も、見直しと解除の条件を読む
サブリースなどで一定の家賃が支払われる契約でも、家賃の見直しや契約解除の条件があります。国土交通省は、潜在的なリスクやデメリットの説明不足によるトラブルを取り上げています。[9]

当初の家賃だけでなく、見直しの時期、免責期間、修繕費の負担、解約に必要な条件を読みます。口頭の説明だけで安心せず、書面のどこに書いてあるかを確認してください。
最後に売るとき、手元へいくら残るか
売却代金がすべて利益になるわけではありません。残っているローン、仲介手数料などの費用、譲渡に関する税を引いて、手元に残る額を考えます。不動産の譲渡所得の計算も、単に売値からローン残高を引く計算とは異なります。[4][5]
買う前には、売却価格が高い場合だけでなく、下がった場合や売るまで時間がかかる場合も比べましょう。保有中の持ち出しを加えたうえで、ほかの資金の置き方と同じ期間・条件で比較する必要があります。
強い勧誘を受けても、その場で決める必要はありません。購入意思がなければ明確に断り、しつこい場合は国土交通省の案内や消費生活センターなどの相談先を確認してください。[6][7]
出典・参考文献
参考資料を見る(17件)
- [1] 国税庁 タックスアンサー「No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算」[令和8年4月1日現在法令等] ↗ nta.go.jp
- [2] 国税庁 タックスアンサー「No.2250 損益通算」 ↗ nta.go.jp
- [3] 国税庁 タックスアンサー「No.2100 減価償却のあらまし」 ↗ nta.go.jp
- [4] 国税庁 タックスアンサー「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」 ↗ nta.go.jp
- [5] 国税庁 タックスアンサー「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」 ↗ nta.go.jp
- [6] 国民生活センター「20歳代に増える投資用マンションの強引な勧誘に注意!」(2019年3月28日) ↗ kokusen.go.jp
- [7] 国土交通省「投資用マンションについての悪質な勧誘電話等にご注意ください」 ↗ mlit.go.jp
- [8] e-Gov 法令検索「宅地建物取引業法」第37条の2(事務所等以外の場所でした買受けの申込み・売買契約の解除=クーリング・オフ) ↗ laws.e-gov.go.jp
- [9] 国土交通省 賃貸住宅管理業法ポータルサイト「適正化のための措置」(サブリース業者への規制:法第28条〜第32条) ↗ mlit.go.jp
- [10] e-Gov 法令検索「借地借家法」第32条(借賃増減請求権) ↗ laws.e-gov.go.jp
- [11] 東京都「投資用不動産特別相談窓口を設置」(住宅政策本部、2025年4月4日発表・4月7日開設) ↗ metro.tokyo.lg.jp
- [12] 健美家「収益物件 市場動向マンスリーレポート 2026年9月期」 ↗ kenbiya.com
- [13] 国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(平成23年4月、令和6年6月改定) ↗ mlit.go.jp
- [14] 国土交通省 不動産情報ライブラリ(不動産取引価格・成約価格情報の検索) ↗ reinfolib.mlit.go.jp
- [15] 金融庁「NISAを知る」(NISAの概要:運用益が非課税、売却した商品の簿価の分だけ非課税保有限度額が復活) ↗ fsa.go.jp
- [16] 国税庁 タックスアンサー「No.2210 必要経費の知識」(業務のための借入金の利息は必要経費。土地等の取得のための負債の利子は、赤字のときは損益通算の対象外)・「No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」(貸付資産の必要経費:固定資産税・損害保険料・減価償却費・修繕費など) ↗ nta.go.jp
- [17] 日本銀行「金融市場調節方針の変更について」 ↗ boj.or.jp