20%下落の回復に25%必要なのはなぜ? 下落率と上昇率の計算

20%下落の回復に25%必要なのはなぜ? 下落率と上昇率の計算

資産が20%下がってから20%上がっても、元の金額には戻りません。同じ割合でも、計算の土台になる金額が変わるためです。

本記事では、仮の金額を使って回復に必要な上昇率を計算します。資産の配分を変えた試算と公的な金融教育資料から、下落に備える際の判断材料も整理します。

情報は2026年10月22日時点のものです。制度・税率・金額は変わることがあります。最新の条件は公式サイトでご確認ください。出典は記事末尾にまとめています。

本メディアは制度や仕組みの解説を目的としています。特定の金融商品・保険商品の購入をすすめるものではありません。投資には元本を下回るリスクがあります。試算は前提によって変わり、将来の成果を保証するものではありません。

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この記事のポイント
  • 下落前と下落後では割合を計算する土台が変わります。
  • 回復に必要な上昇率は、下落率を残った割合で割って求めます。
  • 分散は値動きを抑える方法の一つで、損失をなくす保証ではありません。

基礎知識:回復に必要な上昇率

下落後の金額から元の金額に戻るための割合です。下落前の金額を土台とする下落率とは異なります。

株式や現金など、性質の異なる資産をどの程度保有するかという考え方です。配分によって上昇・下落の影響は変わります。

値動きの異なる資産、地域、投資時期などに分ける方法です。値動きを抑える効果が期待できますが、元本割れのリスクは残ります。

主要キーワード・用語の定義
回復に必要な上昇率
下落後の金額から元の金額に戻るための割合です。下落前の金額を土台とする下落率とは異なります。
資産配分
株式や現金など、性質の異なる資産をどの程度保有するかという考え方です。配分によって上昇・下落の影響は変わります。
分散投資
値動きの異なる資産、地域、投資時期などに分ける方法です。値動きを抑える効果が期待できますが、元本割れのリスクは残ります。

同じ割合でも金額は一致しない

試算として、100万円が20%下落すると80万円になります。そこから20%上昇して増える額は16万円なので、合計は96万円です。

下落前後で変わる計算の土台

流れ

順番を逆にすると

100万円
25%上昇で125万円
20%下落で100万円

元に戻すには80万円から20万円増やす必要があり、必要な上昇率は25%です。この計算は手数料、税金、追加投資を含まない単純な例です。

下落が大きいほど必要な上昇率も増える

必要な上昇率は「下落率÷(1−下落率)」で計算できます。試算では50%下落すると100%、80%下落すると400%の上昇が必要になります。

下落率と回復に必要な上昇率の関係

グラフ

50万円が上がったとき(試算)

いま
50万円
50%上がる +25万円
75万円
100%上がる +50万円
100万円
100万円に戻るには、100%の上昇

これは金額の比率の計算であり、回復までの時間を予測する式ではありません。一定の利回りを仮定した試算を、そのまま相場が回復するまでの年数と考えないことが大切です。

現金を含めた配分の例で比べる

試算として、架空の100万円について、すべて株式の場合と、株式60%・現金40%の場合を比べます。株式が40%下落し、現金が変動しないと仮定すると、それぞれ60万円と76万円になります。

株式と現金の配分を変えた試算

比較表

株が40%下がったとき(試算)

項目A 株100%B 株60%+現金40%
いまの金額60万円76万円
減った金額40万円24万円
戻すのに必要な上昇率約66.7%約31.6%

一方、株式が上がる場合には、現金を含む配分の増加幅は小さくなります。この割合をすすめる例ではなく、配分が上昇時にも下落時にも影響することを示す試算です。

回復予想よりも使う時期と許容額を整理する

J-FLECは、資産・地域・時間を分ける分散の考え方を紹介しています。また、生活に必要なお金と当面使う予定のないお金を分けることも、資産形成の前提として整理しています。[s4][s5]

下落に備える際に確認する手順

手順

今日からの3ステップ

STEP 1
お金を3つに分けて書く

いつ使うお金か、書き出す

STEP 2
株の割合を確かめる

投資信託の中身が、株中心か見る

STEP 3
半分になったら、と想像

金額で、続けられるか考える

金融庁も、投資には元本割れのおそれがあることを説明しています。何%の下落に耐えられるかを金額でも考え、生活費や近い支出予定への影響を確かめましょう。[s2][s3]

実践のポイント・まとめ

POINT 1

半分に減ったら 何%で戻る?

100万円に戻すには、50万円増やす。いまの50万円の100%、つまり2倍です。下がった割合より、戻す割合のほうが大きくなります。

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POINT 2

半分から戻るのに 何年?

半分から戻るほうが、3倍くらい長いです。相場は一定には上がらないから、仮の計算です。

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POINT 3

株に現金を足すと 減り方は?

株が20%上がったときも見て、120万円と、112万円です。下がるときも、上がるときも、両方を見て決めます。

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POINT 4

暴落に備える 1つの質問

続けられないなら、投資額か株の割合を見直すサインです。金融庁も、無くても生活に困らない金額から、と言っています。

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出典・参考文献

検証ファクト一覧を表示する(全10項目)
ID 確認した事実・仕様 出典 注意・補足
F1 必要な上昇率=下落率÷(1−下落率)。100万円が−20%→80万円→+25%、−50%→50万円→+100%、−80%→20万円→+400% —
F2 80万円を20%上げても96万円。同じ20%でも、下がるときは100万円の20%(20万円)、上がるときは80万円の20%(16万円) —
F3 日経平均の終値:2007年7月9日 18,261.98円→2009年3月10日 7,054.98円(−61.4%、必要な上昇率+158.9%)。2008年10月10日に8,276.43円(−54.7%)。2007年7月の水準を上回ったのは2015年2月19日 [s1] 日経平均は日本の225社の平均
F4 日経平均の終値:1989年12月29日 38,915.87円→2009年3月10日 7,054.98円(−81.9%、必要な上昇率+451.6%)。最高値の更新は2024年2月22日(約34年2か月後) [s1]
F5 株が40%下がったとき、株100%は60万円(+66.7%で戻る)、株60%+現金40%は76万円(+31.6%で戻る)。株が20%上がると120万円と112万円 —
F6 金融庁:投資信託などは預貯金より高いリターンを期待できるが元本割れのおそれもある。分散投資は、値動きが異なる複数の資産(国内/海外、株式/債券/不動産など)に分けて、価格の変動をある程度抑える。3つとも◎の金融商品はない [s3]
F7 J-FLEC:分散は「資産の分散」「地域の分散」「時間の分散」。リスクを低減する効果が期待できる [s4]
F8 J-FLEC:お金を「日常生活に必要なお金」「近い将来に使う予定のお金」「当面使う予定のないお金」の3つに分ける。投資は当面使う予定のないお金で [s5]
F9 金融庁:投資は「無くても生活に困らない金額から始め、それを継続することが大事」。分散してもリスクがなくなるわけではない [s2]
F10 年率の仮定で、+25%を取り戻すのは年5%で約4.6年、+100%は約14.2年 —

※ 金額・配分・回復率は説明のための試算です。手数料・税金・追加の積立を含まず、現金は値動きしないと仮定しています。

※ 株式60%・現金40%は推奨する配分ではありません。将来の値動きや回復までの時間を保証しません。